有機JAS認証は複雑さと制限項目の多さからハードルが高い
有機栽培に準じた栽培を「特別栽培野菜」と表記できる。
(特菜=略表記)
Special Grow Vegetable【SGV】
スペシャル グロー ベジタブル
- 全国各地で「有機JASマーク」を貼って販売されている有機野菜。その認定には作目ごとに数多くの書類と栽培記録が必要で、且つ肥料や農薬の使用に関しても多くの制限が設けられており、その中で例えばお馴染みの菜種油粕などを安易に有機肥料として表示できないとか、唐辛子やニンニクを混合した植物由来の自然農薬なのに使用が認められない矛盾、また過リン酸石灰・塩化カリ・硫酸マグネシウムの化学肥料を混合して特殊な微生物で発酵(熟成)することで、有害な成分を分解し、且つ着果と味を高められる肥料も使うことができないなどのジレンマもあります。
「食酢」「重曹」「圃場周辺の天敵」の三つが有機農業で使える「特定農薬」に指定され、木酢、牛乳、にんにく、唐辛子、インドセンダン、レモングラス、アルカリイオン水などが判定保留されています
【参考文献】
なぜ、認証を受けなければならないのか?
JAS法が1999年7月22日に改正され、「有機農産物」、「有機加工品」及び「有機畜産物(令和2年7月)」が『指定農林物資』に指定されました。これにより「有機」や「オーガニック」という表示をするためには、格付の表示、つまり、有機JASマークを貼らなければならなくなりました。この格付の表示を行うためには、農林水産大臣の認可を受けた登録認証機関から認証を受ける必要があります。
つまり、生産した農産物を「有機農産物」と表示して出荷、販売するためです。
農林物資:飲食料品および油脂、農産物、林産物、畜産物、水産物並びにそれらの加工品
格付:生産された農産物が、生産方法を定めた有機農産物の日本農林規格(有機JAS規格)に適った方法で生産されたことを、登録認証機関から認証を受けた事業者が、自ら確認(格付検査)すること。また、有機JASマークを貼付することを格付表示と呼びます。
表示の対象
JAS法で表示規制の対象となる農産物は、ほ場で生産される農産物、採取場に自生する農産物(山菜など)や栽培場で生産される農産物(きのこ類など)です。 以下は参照URLで
それらの点を踏まえ、当園においては今後数年は有機野菜の基準をほぼ満たして栽培する野菜を「特別栽培野菜」(Special Grow Vegetable)【SGV】と銘打って販売することにします。(栽培の英文は通常はCultivate=カルチベータですが、英略語にした場合、SCVとなりやや読みづらいことから、育てるという意味のGrwo=グローにすることでSGVと読みやすくなる)
特別栽培野菜の規定と表記にも一定のルールはありますが、その範囲は有機JAS認定に比べると極小さいものであり、煩雑な管理記録を不要とする分を、より良い品質の野菜を栽培する方に向けることができ販売価格も若干抑えることができます。
但し、基準が緩い分、生産者としての責務はより重くなることを踏まえ、消費者の皆さんから信頼され喜ばれる野菜を生産することに務めていかねばなりません。
以上の点をご理解いただき、生産者と消費者双方の絆を深め合い、その他のことにおいても串間との関係を高められるよう強く願うものです。
文責 T.Watanabe
「特別栽培農産物」の表示。
- 農薬と化学肥料の節減率が「50%以下」
- 農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に基づき、地域ごとの慣行レベルと比較して、節減対象農薬の使用回数または化学肥料の窒素成分量がそれぞれ50%以下であること。
- あいまいな表現の禁止
- 「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」といった、消費者に誤解を与える可能性のある表現は禁止されています。
- 代わりに、「農薬○割減」「化学肥料(窒素成分)○割減」のように、具体的な節減率を表示する必要があります。
表示方法
- 表示項目
- 「特別栽培農産物」であること
- 節減対象農薬の使用状況(減らした割合や使用した農薬の種類・用途・回数)
- 栽培責任者の氏名、住所、連絡先など
- 表示スペースの工夫
- 表示項目が多岐にわたるため、スペースに制約がある場合は、インターネットで詳細を確認できるようにホームページのアドレスを記載することも可能です。
- その他
- 国が定める基準を満たした上で、都道府県の認証を受けている場合は、独自の認証マークを加えて表示することもできます。
文責 T.Watanabe
育成(栽培)資材
種苗:美味しさを追求した品種改良が行われており、品種によって元々の味や風味、食感が異なります。
当園では我が国トップのタキイ種苗の野菜品種のなかで、味がよく季節と栽培状況に応じた最適な品種を選択しています。
堆肥:原材料には牛糞、鶏糞、豚糞の動物由来のものと、稲わら、雑草、植物残渣など植物由来のものがあります。基本的には元肥として植付前に土壌に混入します。その品質としては、適正な管理を経て充分に完熟していることが必要で、且つ発酵途中で最低一か月は60℃を保つことと、できれば米ぬかで培養した微生物数種を添加して発酵を促し内容成分(アミノ酸など)の密度を高めることが望まれます。
施用に関しては栽培する野菜の種類に応じて堆肥単体の混合割合を調整することが求められますが、それには煩雑な作業が必要となることから、葉菜(窒素主要)、果菜(リン酸主要)、根菜(カリ主要)のそれぞれごとに三要素の比率をおおよそ調整すれば良いでしょう。
肥料:窒素、リン酸、カリウムなどの基本栄養素のバランスが重要です。特に、アミノ酸肥料の使用は食味の向上につながるとされています。
それには、油粕、大豆ミール、魚粉など有機質肥料を主体に施用することですが、その中でも魚粉には動物性旨味成分としてのイノシン酸(核酸)を含むことから野菜の体質を強くし味を高めることが期待できます。
下水処理で精製される汚泥肥料は安価であることから大量に必要な場合は主体的に使うとコストダウンにつながります。
リン酸含有の割合が多い鶏糞は堆肥としての使い道だけでなく肥料としてリン酸の要求度が高い果菜類や果樹に使うことで着果を促進します。
有機質肥料は元肥・追肥とも使いますが、元肥に堆肥を大量に施用する場合は有機質肥料を元肥として施用する必要度合いは少ないことから、主に追肥として施用します。施用に関してはそのまま使うよりも発酵させて使うほうが効果が高くなります。
本来は化学肥料ですが、特殊な微生物で発酵熟成したリンカリマグネシウムの混合肥料は、リン酸が土壌に吸着され吸収されにくくなるのを防ぎます。また施用によって特にリン酸の吸収量が窒素分の吸収割合より多くなることで果菜と果樹では一番花開花の二週間前に施すと着果率が特段に高まり、それとともにマグネシウムの光合成促進効果により糖度が増加します。
農薬:通常の栽培で使用される化学的農薬は程度はありますが全て人体には有害なものです。そのため使用回数や残留度合いが示されていますが、できれば極力使用を避け、出来る限り人体に無害な鉱物性農薬や植物由来の自然的農薬、微生物剤、及び物理的なトラップ(粘着捕殺)資材、生物学的防除手段として益虫を使用することが望まれます。
それらの有機認定の農薬やトウガラシ、ニンニクなどの絞り汁、その他の防除資材を使うことで安全な野菜生産ができますが、どうしても化学農薬よりも弱いことで、そのためには作物の体質を丈夫にする栽培方法と土壌病害のなかで特に問題となる連作障害を起因とする病害を防ぐための湛水処理や太陽光消毒などの施策が必須になります。
その他、コンパニオンプランツとして相性の良い植物を組み合わせたり、ハーブプランツとなる害虫忌避性の強いハーブを混植するなどの方法も効果があります。
ハーブ&コンパニオンプランツ
水:野菜の生育に重要な意味を持つ水について、理想とされるのはボーリングによる地中深さ20m以上の浸透水で、常時17℃と安定していることで冬は地温を上げ夏は下げる効果がある。また清潔で水そのものには病害菌が含まれない。初期投資はかかるが後のコストは割安である。
水道水も安全だがコストが割高で夏場の乾燥時には充分な潅水がやりづらい。ただ、露地栽培の場合は通常の降水によって必要な水分はほとんど確保できるので、極端な渇水の場合だけ水道水を使用すればコストもそれほど気にはならない。
流水(川の水)については上部に汚染要素のない上流を除き、田畑の戻し水や家庭排水の流入があると必ずしも清潔でなく、その上水流が少ないときは農薬や洗剤などでの汚染濃度が懸念されるが、どうしてもやむを得ない場合は、汲み置きして光合成菌(PSB)を300倍に薄めた混合水を潅水すると病害菌や有害物質の問題はほとんどクリアされる。
その他:微生物・酵素・木炭・竹炭を使用することで野菜を育てる環境が一段と良くなりその結果として体質が丈夫になり味(旨味)も増加する。
それぞれの効果については当サイトの各ページを参照してください。
微生物&酵素 木炭と竹炭
環境資材
防風ネット:目合いが約4mmのネットは防風・風よけ対策として畑や果樹園、ガーデニングなどに設置することで農作物や植物を台風や突風、飛散物からの被害を抑えることができます。 さらに畑からの土埃や砂埃の近隣に対する砂よけ対策にもなります。
設置には農園(耕作地)の四方に支柱を立てますが、その支柱には金属製と木製があり、作物の高さに応じ最大3mを確保します。ネットを張る高さによって支柱の強度が求められ、それに応じて選択します。
また四方だけでなく上部(天井)全体に張ることで防虫防鳥とともにより強風対策になります。
ビニールハウス:ハウス栽培は当初冬場に栽培するための施設であったが現在は風雨や害虫を防ぎ、環境コントロールができることで年中にわたり栽培される例も多くなってきた。ただ、どうしても夏場の室内温度上昇には冷房装置が必要となるため、その期間だけは次作付けの準備のため、太陽光消毒などが成される。
しかし、夏場においてもトマトを主とする雨よけ栽培ではサイドビニールを張らずに栽培され高品質の野菜が生産されている。
トンネル:一般的なニトポールのサイズは180cmから270cmまで用意されています。サイズ240cmまでは丸棒で270cmサイズは角棒になります。
露地野菜の保温目的で使用する場合はビニールを被覆します。
トンネルにビニールを被覆する場合、強風に耐えるようニトポールの間隔を調整します。通常は50㎝ごとに挿入しますが畝幅が広い場合には、それに応じて最短30cmまで間隔を調整します。
害虫を防ぐためには防虫ネットを張りますが家庭菜園ではほとんどこの目的のために使用されます。
ビニール:基本的な厚みは0.5mmで、幅は180cmから270cmだが、トンネルにビニールを被覆する場合の方法は、ハウスバンドを地中に叩き込んだ杭に引っ掛けてトンネルを押さえていきます。
防虫ネット:防虫ネットの網目サイズは、防ぎたい害虫の種類によって異なります。一般的に、0.4mmから1mm程度の網目が使われることが多く、微小な害虫(アザミウマやコナジラミ)には0.4mm、アブラムシには0.8mm、コナガやアオムシなどには1mmが目安となります。防虫効果が高いほど風通しが悪くなるため、作物の生育や栽培方法に合わせて、害虫対策と風通しのバランスを考慮して選ぶことが重要です。
マルチ:マルチ栽培とは、畝(うね)をフィルム製のシートで覆う栽培方法です。保温・保湿、雑草抑制、土壌の跳ね返り防止、追肥の流出防止などの効果があり、作物の生育を促進させます。通常の素材はポリフィルムで、これには黒マルチ、透明マルチ、シルバーマルチなど様々な種類があります。
サイズとしては90㎝から180cmまで、また作物に応じた穴あきのもの、後片付けの不要な紙素材のものがあり、目的に応じて使い分けます。
防草シート:野菜の栽培においてはビニールハウス内でのガス消毒を行う以外では必ず雑草が生えてきます。その雑草を防ぐ目的で使用されますが「織物」の防草シートは、葉先の丸いギシギシやセイタカアワダチソウなどの雑草を抑えたい方におすすめです。
しかし、葉先の尖ったチガヤ、アシなどの雑草は、シートの織り目から突き抜けて生えてきてしまいますので、施工する場所に生えている雑草の種類をしっかり確認することが重要です。
電柵:イノシシやタヌキ、ムジナなどの獣の侵入を防ぐことを目的に設置するのが電柵です。100Vの電源がないところでもバッテリーで稼働するので何処にでも設置できます。