食べ物の歴史は、遙か遠く地球上に人類が誕生した500万年前からホモサピエンスが現れる20万年前において、当時は自然に生育していた植物そのものの中から食べられる野草や木の実を選別し、それに加え獣や鳥類、魚介類ををそのまま収穫捕獲して食料としていました。
そこからようやく1万年前の温暖な気候変動にともない西アジア(メソポタミア)で初めて人類がムギや豆類の栽培を始め、またヤギやヒツジを家畜として飼育したとされています。
野菜についていえば、紀元前6世紀頃に食べられる野草の種を蒔いて育てたのが初めといわれ、その後、1850年頃から育種技術が解明され徐々に品種改良され現代に至っています。
1年365日3食のどこかで必ずといって良いほど何らかの野菜がレシピのなかに含まれ食されています。一生のうちには少なくても6万回に及びます。
そのなかで、特に幼少期における食の習慣がその後の食生活に大きく影響し、その安全性は健康面に重要な意味があります。
野菜の安全基準は、主に「有機JAS認証」などの認証制度で定められた生産基準と、残留農薬の基準値遵守という2つの側面から成り立っています。有機JAS認証の野菜は、化学肥料や化学合成農薬を原則として使用せず、種まき・植え付け前2年以上無使用で栽培されます。また、食中毒を防ぐための衛生管理も重要な基準です。
生産・栽培における安全基準
- 有機JAS認証:
- 種まき・植え付け前2年以上、原則として化学肥料や農薬を使用しない。
- 登録された認証機関による審査を受け、基準を満たした農産物のみが「有機JAS」の表示を許可される。
- 特別栽培農産物:
- 化学合成農薬や化学合成肥料の使用回数を、国が定める通常の栽培方法より減らして栽培された農産物。
- その他の基準:
- 「遺伝子組み換え技術を使用しない」といった基準が設けられている場合もある。
- 土壌の有機物による土作りや、環境負荷の低減が図られる。
衛生管理における安全基準
- 残留農薬:
- 「残留農薬のポジティブリスト制度」により、基準値が設定されていない農薬には一律0.01ppm0.01 p p m0.01𝑝𝑝𝑚の基準値が適用され、規制が強化されている。
- 一般的に、これらの基準値は健康に影響を及ぼす量ではないため、通常の調理でさらに減少するとされています。
- 衛生的な取り扱い:
- 栽培施設での小動物や昆虫の侵入防止。
- 作業員の衛生管理の徹底(手洗い、下痢などの体調不良時の作業制限など)。
- 農産物の汚染を防止するため、施設や機器の清掃・消毒。
- 農薬や洗剤の適切な保管と使用。
- 水道水・水の管理:
- 栽培に使用する水は、衛生的な状態が保たれている必要がある。
- 貯水槽などを使用する場合は、有害微生物汚染の防止策を講じ、水質検査を定期的に行う。
安全な野菜を選ぶポイント
- 認証マークの確認: 「有機JASマーク」または「特別栽培農産物」の表記が付いているか確認する。
- 旬の野菜を選ぶ: 健康的に育てられた旬の野菜は、栄養価も高く美味しいとされています。
- 調理法: 洗ったり皮をむいたり、加熱したりすることで、農薬の残留はさらに減少する。
野菜アレルギーとアトピーの関係
1. 野菜アレルギーがアトピーを悪化させる場合
- ヒスタミンを多く含む野菜: たけのこ、ごぼう、なす、さといも、ほうれん草、トマトなど、ヒスタミンを多く含む野菜の摂取がアトピー症状の悪化につながることがあります。
- 花粉との交差反応: 花粉症(特にイネ科やキク科)があると、それに似た構造を持つ野菜や果物(トマト、バナナなど)にアレルギー反応を起こしやすくなります。
2. アトピー性皮膚炎が食物アレルギーを引き起こす場合
- アトピー性皮膚炎の人は、皮膚のバリア機能が弱く、体内にアレルゲンが侵入しやすくなっています。
- そのため、アトピーの症状がある時期は、食物アレルゲンに感作されやすく、食べ物アレルギーを併発するリスクが高まります。
対策と注意点
- 症状が悪化した場合: 症状が悪化した際に、原因となる野菜を特定し、摂取を控えるなどの対策を講じることが重要です。
- 自己判断は避ける: 野菜の種類によってアレルギー反応は異なるため、自己判断で特定の野菜を完全に排除するのではなく、医師に相談して適切な検査や治療を受けることが大切です。
- バランスの取れた食事: アトピーの症状を悪化させる食品だけでなく、不足しがちな栄養素(鉄、亜鉛、ビタミンなど)をバランスよく摂取することも、皮膚の健康を保つ上で重要です。
有機栽培野菜(特別栽培野菜)は、化学農薬や化学肥料の使用を抑えるため、残留農薬のリスクが少なく、アレルギーを持つ方にとって安心材料となり得ます。しかし、野菜自体が持つアレルギー物質(例:ほうれん草のシュウ酸、ルッコラのタンパク質など)に反応する場合や、交差反応(花粉と類似したタンパク質)が原因となる場合があるため、有機栽培であってもアレルギー症状が出る可能性があります。
安全な野菜栽培には、土壌改良、適切な施肥、害虫対策が重要です。具体的な方法としては、堆肥や腐葉土で土壌を改良する、化学肥料を控えて緩効性肥料を使用する、マルチングや防虫ネットで害虫を防ぐ、土壌分析に基づいた適正な施肥を行うなどが挙げられます。また、アクアポニックスのような、化学肥料や農薬を使わない栽培方法もあります。
1. 土壌の改良
- 耕うん: 水はけが悪い土壌を深く耕し、通気性を向上させます。
- 堆肥や腐葉土を混ぜる: 土壌の粒子間に隙間ができ、水はけと保水性のバランスが整います。
- 土壌消毒: 古い土を使い回さず、病害虫がいない清潔な土を使用します。
- 土壌分析: 診断結果に基づいた適正な施肥を行います。
2. 適切な施肥
- 化学肥料を控える: 緩効性肥料を使い、肥料の与えすぎに注意します。
- マルチ栽培: 肥料が流亡するのを防ぎ、施肥量を減らすことができます。
- 土づくり: 有機物を活用して土壌の自然な力を引き出します。
3. 害虫対策
- マルチング: 畝にシートをかぶせることで、虫や雑草の侵入を防ぎます。
- 防虫ネット: トンネル栽培の葉物などによく使われ、種まきや植え付け直後に設置します。
- 室内栽培: プランター栽培の場合、室内で育てれば虫の心配が大幅に減ります。
- 物理的な駆除: 万が一虫を見つけたら、その場で捕殺します。
4. その他の方法
- アクアポニックス: 魚の養殖と水耕栽培を組み合わせたシステムで、化学肥料や農薬を使わずに栽培できます。
- 有機JAS認証: 認証を受けた農産物は、一定の基準を満たした安全性が高いものとされています。
注意: 「無農薬」と表示されていても、土壌に農薬が残っていたり、他の畑から飛散してきたりする可能性もあるため、安全性を重視する場合は「有機JAS認証」などを確認することが重要です。
※当農園においては「特別栽培農産物」としての栽培管理を行います。
特別栽培野菜の基準を尊守
当園での野菜栽培においては有機JAS認証基準と比べ、その基準に沿わない肥料としては①化学肥料を特殊な微生物で発酵熟成したリン・カリ・マグネシウムの混合肥料を使用するのと、害虫対策として②トウガラシやニンニクなどの植物由来の農薬を使用する2点のみ以外では全て有機基準に準じた栽培を行います。
特別栽培野菜の基準の主なものは化学肥料の50%減と通常農薬の50%減ですが、当園では肥料として前記のリンカリマグネシウムの混合肥料を着果促進と味の向上を目的に使うのみなので、それを化学肥料とした場合の比率はせいぜい20%未満になります。
また農薬については、前記のトウガラシやニンニクなど植物由来の自然農薬を使う以外、有機栽培で認定されていない農薬は一切使用しません。
光合成菌を混合して潅水
光合成菌(PSB)には土壌に施用することにより土壌中の有害な物質を分解するはたらきがあることから、基本水の不純物や土壌中の作物に不要な物質を浄化してくれます。
その上、PSBは植物で最も大切なはたらきである光合成を増進し、硝酸態チッソの分解をスムーズに行うことでタンパク質・アミノ酸・旨味成分のグルタミン酸を増量生成します。
その他、通常の微生物とは異なる線虫捕食菌の施用やハーブプランツ(ハーブの混植)による害虫回避対策などにより、通常農薬を使用しない栽培を励行します。
JGAPとは、「Japan Good Agricultural Practice(日本の良い農業の実践)」の略で、食品安全、環境保全、労働安全、人権・福祉などに配慮した農業生産工程管理の基準を定めたものです。安全で持続可能な農業経営の実現を目指し、一定の基準を満たした農場に与えられる認証制度です。一般財団法人日本GAP協会が運営しています。
主な特徴
- 日本独自の基準:国際的なGAPの枠組みを基に、日本の生産・社会環境に合わせて作られています。
- 幅広い管理項目:農産物の安全性だけでなく、環境保全、労働安全、人権・福祉といった、より包括的な基準が含まれています。
- 第三者認証:専門の審査員による審査を経て、基準を満たした農場が認証されます。
- 信頼性の向上:JGAP認証を取得することで、消費者や食品事業者が安心して農産物を購入・利用できるという信頼性が高まります。
- 持続可能な農業:繰り返し実行可能な生産管理手法を定めており、持続可能な農業経営の確立に貢献します。