完熟堆肥&有機肥料 taihi
完熟堆肥とは
わらや落ち葉、家畜のふんなどの有機物が微生物によって十分に分解・発酵され、腐熟化された状態の堆肥です。土壌の排水性、保水性、肥料持ちを改善する効果があり、未熟な堆肥に含まれる熱やガスによる植物への悪影響を防ぎます。完熟すると、悪臭が少なくなり、ふかふかした感触で、黒褐色または黒色に変化します。
特徴
状態:
有機物が分解され、未分解物が少なくなり、発酵プロセスが完了した状態です。
見た目・感触:
未熟な堆肥に見られる悪臭がなく、優しい土の香りがします。手に取ってもベトベトせず、パラパラした粉状になります。
安全性:
微生物の活動によって病原菌や雑草の種子が死滅し、有害物質や悪臭の原因となる物質も分解されているため、植物に安全です。
種類
動物質堆肥:
家畜の糞尿(鶏、豚、牛など)を原料としています。肥料としての効果が高く、窒素、リン酸、カリウムなどの養分が豊富です。
植物質堆肥:
落ち葉、もみ殻、刈草、米ぬかなどを原料としています。肥料分は少ないものの、土壌の通気性や肥料持ちを良くし、土をふかふかにする効果があります。
使用上の注意点
使用前の確認:
未熟な堆肥を使用すると、根にダメージを与えたり、生育不良を引き起こしたりする可能性があるため、必ず完熟したものであることを確認してください。
土壌への施用時期:
完熟堆肥も微生物によってゆっくり分解されながら効果を発揮するため、種まきや植え付けの約2週間前など、早い段階で土に混ぜておくことが推奨されます。
目的に応じた選択:
肥料効果を重視するなら動物質堆肥、土壌改良を重視するなら植物質堆肥など、目的に応じて種類を使い分けることが大切です。
高品質な堆肥の条件
発酵の進捗、成分の安定性、安全性、使いやすさがあります。具体的には、アンモニア臭がなく土の香りがし、サラサラとした手触りで、C/N比が30以下、病原菌や有害物質を含まないことが重要です。
物理的・感覚的品質
- 臭い: アンモニア臭や腐敗臭がなく、土のような優しい香りがする。
- 手触り: ベトベトせず、握るとわずかにサラサラしている。
- 色: 黒褐色または黒色に変色している。
化学的品質
- C/N比: 炭素と窒素の比率が30以下と低く、窒素飢餓を起こさない状態が望ましい。一般的に完熟堆肥はC/N比が15〜20程度。
- 成分: 有効成分が安定している。特定の作物に障害を及ぼす有害物質(例:クロピラリド)が含まれていない。
- pH: 適切な発酵により、pHが安定している。
安全性
- 病原菌・雑草種子: 堆肥化の過程で55℃以上の高温状態を一定期間維持することで死滅させる必要がある。
- 重金属・有害物質: 環境基準値を超えないこと。
生産・製造過程の条件
- 発酵方法: 好気性発酵(切り返しを伴う発酵)を行う。
- 温度管理: 60〜65℃の温度を1〜3ヶ月程度維持することで、未熟堆肥による作物障害を防ぎ、病原菌を死滅させる。
- 水分管理: 含水率を55〜60%に保つ。水分が多すぎると通気性が悪くなり、少なすぎると微生物が活動しない。
- 原料: 木材以外の植物性のものを多めに含み、植物性・動物性をバランス良く配合する。
- 微生物: 放線菌などの有用な好気性微生物を働かせ、分解を促進する。
堆肥発酵における微生物の効果
堆肥の発酵段階において、米ぬかで増殖した数種の微生物を加え切り返すことで発酵が活発に進み、且つ有効微生物群が占める割合を高めることにより堆肥の質が格段に向上します。
循環型社会の基本的事業(エコ活動)
家庭用生ごみを効果的に運用(減量・リサイクル)するには、「水分を減らす」「堆肥化する」「生ごみ処理機を活用する」といった方法があります。
1. 減量(ごみ出しの負担軽減)
生ごみの約7〜8割は水分です。水分を減らすだけでも、ごみの量や重さが大幅に減り、悪臭やコバエの発生防止にもつながります。
- しっかり水切りをする: 三角コーナーやシンクのゴミ受けで水気を切るだけでなく、新聞紙に広げて風通しの良い場所で乾燥させると、さらに水分量を減らせます乾乾
- 乾燥させる: 天日干しや、市販の生ごみ処理機(乾燥式)を使って物理的に乾燥させる方法があります。
2. リサイクル(堆肥化)
生ごみは、微生物の働きで分解・発酵させて堆肥(たいひ)として再利用できます。家庭菜園やガーデニングの肥料として活用することで、ごみを減らしつつ資源を循環させることができます。
当園では家庭用生ごみを「酵素用」と「堆肥用」に分けて凡別してもらい、酵素用は当日収集し、堆肥用は配布するコンポストに投入し発酵菌を添加して熟成を促し、それを一か月に一度回収するか、それぞれの家庭で堆肥や肥料に利用してもらうことにします。
- 酵素製造の原料: 野菜と果物に限り食べれない部位や、皮や種などを専用の袋に入れて指定の回収箱に入れてもらい、それを当園が回収して酵素の原料とします。
- コンポスト容器の利用: 庭に設置するタイプや、ベランダでも使えるダンボールコンポストなどがあります。生ごみに米ぬかや落ち葉などを混ぜ、定期的にかき混ぜることで良質な堆肥が作れます。
- 土中分解: 庭の土に直接生ごみを埋めて微生物に分解してもらう方法もあります。
- 生ごみ処理機の利用: バイオ式(微生物分解)の処理機を使えば、手軽に堆肥を作ることができます。
3. 生ごみ処理機の活用
生ごみ処理機には、主に「乾燥式」と「バイオ式」があります。
アンモニア態チッソの推移
硝酸態チッソの吸収と溶脱
アンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、まず亜硝酸態窒素、次に硝酸態窒素へと変化します。この変化は土壌の環境(特に酸素量)に大きく影響され、畑のような好気的環境では硝酸態窒素に変わりやすく、水田のような嫌気的環境ではアンモニア態窒素のまま留まったり、硝酸態窒素が脱窒菌によって窒素ガスとなって揮発したりします。
変化のプロセス
- アンモニア態窒素 :
- 有機物などが分解されて生成されます。
- 硝酸化成:
- アンモニア態窒素 が、土壌中の硝化菌(亜硝酸菌と硝酸菌)によって酸化され、硝酸態窒素に変化します。
- この過程で一時的に亜硝酸態窒素が生成されますが、土壌中に蓄積されることは通常ありません。
- 植物による吸収:
- 多くの畑作植物は、硝酸態窒素を根から吸収します。
- 水稲のような水生植物は、アンモニア態窒素 を主に吸収します。
- 植物は吸収した硝酸態窒素をアミノ酸、たんぱく質へと変換して生長します。
環境による変化の違い
- 畑(好気的環境):
- 酸素が豊富なため硝化が活発に起こります。
- 硝酸態窒素は土壌に吸着しにくいため、水とともに土壌の深い層へ流亡しやすい性質があります。
- 土壌微生物の活動が活発で、有機物から硝酸態窒素への変化が比較的速いです。
- 水田(下層が嫌気的環境):
- 土壌表面は好気的ですが、下層は嫌気的です。
- 硝化菌が活発に働く土壌表面で生成された硝酸態窒素が、嫌気的な下層に移動すると、脱窒菌の働きで窒素ガスとして大気中に揮発します。
- 土壌への吸着が少なく、水に溶けやすいため、植物に吸収されにくい硝酸態窒素は流亡しにくいです。
まとめ
アンモニア態窒素から硝酸態窒素への変化は、主に土壌中の硝化菌による働きで起こります。畑ではこの硝酸態窒素が作物に吸収される一方で流出しやすく、水田では脱窒によって窒素が失われるなど、それぞれの環境に適応した窒素循環が行われます。
チッソ肥料とリン酸肥料の関係
東京大学研究文献
栄養環境は作物の生産性を決定する重要な環境要因です。
近代農業では、植物が多量に必要とする栄養素である窒素化合物(硝酸アンモニウムなど)とリン酸化合物(リン酸カルシウムなど)を施肥することによって高い作物生産を達成しています。
一方で、施肥された肥料の全てが作物に吸収されるわけではなく、吸収されなかった養分は環境に流出して河川や海洋の汚染の大きな原因となっています。
このため、高い作物生産性と環境保全の両立のために作物の栄養吸収・利用能力を向上させることが重要となってきています。
自然環境における主要な窒素源は土壌中の硝酸態窒素(硝酸イオン)ですが、硝酸イオンは植物体内で窒素栄養の吸収と利用を制御するシグナル伝達物質として働いて、形態変化や遺伝子発現の調節を介して栄養の吸収能力の調整を行っていることがわかっていました。
東京大学生物生産工学研究センターの柳澤教授らは、これまでに、硝酸イオンを植物に与えた時に起こる応答の鍵因子としてNLPタンパク質を同定し、NLPタンパク質が遺伝子の発現量を調整する転写因子(注1)として様々な窒素栄養の吸収と利用に関わる遺伝子の発現を制御していること(Nature Communications, 4: 1617, 2013)や、硝酸イオンの供給に合わせてNLPタンパク質がリン酸化されて活性化することで窒素栄養吸収・利用機構が起動すること(Nature, 545: 311-316, 2017)を解明していました。
しかしながら、変動する栄養環境に合わせて栄養吸収と利用を調節する仕組みは分かっていませんでした。
今回、モデル植物であるシロイヌナズナの様々な変異体や遺伝子組換え体における遺伝子発現パターンの解析や硝酸イオン吸収の測定によって、NLPタンパク質は硝酸輸送体遺伝子の発現を直接促進する転写因子であり、また、今回、新たに同定されたNIGT1タンパク質が硝酸輸送体遺伝子の発現を抑制する転写因子であることを明らかにしました。
さらに、NLPタンパク質は硝酸輸送体遺伝子の発現と同時にNIGT1遺伝子の発現を促進する転写因子であり、NIGT1は硝酸輸送体遺伝子の発現と同時に自分自身の発現を抑制する転写因子であることを明らかにしました。
植物が拮抗する制御を上手く活用して、硝酸イオン量の変動に合わせて硝酸輸送体の発現量を変化させることで硝酸イオンの獲得を調整していることを明らかにし、植物が持つ栄養環境の変化に適合するための巧妙な分子メカニズムを明らかにしました(図1)。
加えて、リン栄養不足に対して起こる応答を担う転写因子であるPHR1がNIGT1遺伝子の発現を促進すること(図1)を示して、リン飢餓によって硝酸イオンの取り込みが抑制される分子メカニズムを明らかにしました。
さらに、NLPタンパク質とNIGT1タンパク質のバランスが植物ホルモンの一つであるサイトカイニンの合成量も調節しており、これによって栄養獲得に合わせて成長を達成していることも示唆しました。
これらの発見によって、植物が栄養環境の変動に合わせて成長を調節している因子と仕組みが明らかになりました。
これらの発見は、土地ごとに異なる栄養環境に合わせた作物栽培方法の開発やそれぞれの土壌環境に最適な品種の作出の契機となることが期待されます。
動物性堆肥の比較区分
チッソ成分の肥効。
堆肥に含まれる窒素(チッソ)の主な特性は、多様な形態をもち、その肥効が緩やかで持続的である点にあります。
堆肥チッソの主な特性
- 多様な形態と肥効期間:
- 無機態窒素: 堆肥化の過程で生成されるアンモニア態窒素や硝酸態窒素など、化学肥料と同様に植物がすぐに吸収できる速効性の成分が含まれます。
- 有機態窒素: 微生物の遺骸や分解されにくい有機物に含まれる窒素は、土壌中で微生物によって徐々に分解(無機化)されることで、長期間にわたって(数年以上にわたり)少しずつ供給されます(緩効性・遅効性)。
- 土壌への蓄積と地力増進効果:
- 堆肥由来の窒素の多くは土壌に蓄積しやすく、土壌有機物の増加や腐植の形成を通じて、長期的な地力増強に寄与します。
- C/N比(炭素窒素比)との関係:
- C/N比が低い(窒素含量が多い)堆肥ほど窒素の肥効が高く、化学肥料に類似した性質を示します。
- C/N比が高い未熟な堆肥では、施用直後に微生物が土壌中の窒素を消費するため、一時的な「窒素飢餓」を引き起こす可能性があります。この場合、播種・定植まで1か月以上空けるなどの注意が必要です。
- 成分の変動性:
- 堆肥の窒素成分や有効化率(無機化率)は、家畜の種類(牛、豚、鶏など)、副資材、堆肥化の方法(発酵期間、密閉/開放など)、水分管理によって大きく異なります。
- 他の成分とのバランス:
- 堆肥は窒素だけでなく、リン酸、カリウム、カルシウム、微量要素なども含んでおり、総合的な養分供給源となります。ただし、これらの成分バランスは堆肥の種類によって異なるため、施用量を調整する際は化学肥料なども併用し、養分過剰にならないように注意が必要です。
総じて、堆肥チッソは土壌環境を改善しつつ、緩やかに養分を供給する点で化学肥料とは異なる特性をもちます。安定した効果を得るためには、完熟したものを選び、土壌診断に基づいて適切に施用することが重要です。
堆肥の窒素成分
家畜の糞の種類(牛、鶏、豚など)や副資材の有無、熟成度合いによって大きく変動します。一般的に、鶏糞堆肥は窒素含量が高い傾向にあり、牛糞堆肥や豚糞堆肥も副資材の量によって窒素含量が変わります。肥効は、速効性の窒素成分と、分解されてから作物が利用できるようになる緩効性の窒素成分の量で決まります。
堆肥の種類による窒素成分の例
- 鶏糞堆肥:
- 副資材を含まない場合は窒素含量が約4%と高い傾向にあります。
- 窒素含量のばらつきが非常に大きく、1.9%~5.2%程度になることがあります。
- 豚糞堆肥:
- 副資材を含まない場合は窒素含量が約3~4%と高い傾向にあります。
- 副資材(オガクズなど)を含む場合は、窒素含量が半分程度になることがあります。
- 牛糞堆肥:
- 代表的な窒素含量は約2.1~2.3%ですが、最大で5.16%、最小で0.98%と幅があります。
- 未熟なものや副資材の種類・量によって窒素含量は変動します。
窒素成分の肥効と注意点
- 肥効の決まり方: 施用時にすぐに効く「速効性窒素」と、ゆっくりと分解されて効く「緩効性窒素」の割合で決まります。
- 肥効の例:
- 肉牛ふん堆肥: 無機態窒素(アンモニア態・硝酸態)の量が多く、無機化率も高い傾向にあるため、施用当年の肥効は高いとされます。
- 乳牛ふん堆肥: 無機態窒素の量が少なく、当年の肥効は低い場合があります。ただし、オガクズなどを含むものでも、無機態窒素が多い場合は肥効が高いこともあります。
- 注意点:
- 未熟な堆肥は、作物の生育障害を引き起こす可能性があります。
- 堆肥の窒素成分や肥効にはばらつきが大きいため、使用する堆肥の成分分析や、土壌分析に基づいた施肥設計が重要です。
有機肥料
有機肥料とは、油粕や魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物(炭酸そのものを除く炭素を含む化合物)を原料にした肥料のことです。
これに対し、鉱物などの無機物を原料として、化学的方法により製造された肥料を化学肥料といいます。
有機肥料の役割は栄養補充と土壌改良
有機肥料の役割は、主に土への栄養補充と土壌改良です。農作物は、土から根を通じて窒素やリン酸、カリウムなどの無機養分を吸収して育ちます。しかし、土の中の養分には限りがあるため、放っておくと養分がなくなってしまいます。そこで、肥料を使って土に養分を補います。有機肥料は、土の中の微生物の働きで分解されることで、植物が吸収できる養分に変わるため、一般に即効性はありませんが、効果は長く続きます。一方の化学肥料は、水に溶け込むことですぐに植物に吸収されるため、即効性が高い反面、特殊な加工を施した肥料を除き、効果が続く期間は短いのが特徴です。
有機肥料は土の中の微生物の餌になることから、微生物の種類が増えて農作物が育ちやすい土になることが期待されます。微生物で分解されなかった有機物の一部は土に残り、団粒形成の促進に寄与します。その結果、土の物理性(通気性や保水性など)が高まります。化学肥料にはこの効果はありません。
有機肥料の種類
油粕
油粕とは、大豆や菜種などから油を搾った後に残る、搾りかすのこと。植物に必要な三大栄養である窒素・リン酸・カリウムのうち、葉・茎の生育を促す窒素を多く含んでいるのが特徴です。油粕は、多量にまくと分解の際にガスが発生して作物の生育を阻害したり、土の表面にまくとコバエが発生したりすることもあるので、使用には注意が必要です。
鶏糞
鶏糞は、養鶏所から出るニワトリの糞を乾燥・発酵させた物です。窒素・リン酸・カリウムをバランスよく含み、マグネシウムやカルシウムも豊富に含んでいます。比較的低価格で扱いやすく、乾燥鶏糞(鶏糞ペレット)、発酵鶏糞(鶏糞堆肥)、炭化鶏糞などの種類があります。特にリン酸分とカルシウムの成分量が多く、着果性と味を高める効果に優れる。
堆肥としてのジャンルにも含まれ、鶏糞1牛糞2の割合で混合して追発酵することで、鶏糞の即効性と牛糞の遅効性から長期に渡り肥効が続き、三要素のバランスも良くなります。
魚粉
魚粉は、イワシなどの魚を煮て水分と油分を取り除き、乾燥させた後に粉砕したものです。窒素とリン酸を多く含み、窒素はタンパク質の形であることから、土壌中での分解は速やかに進みます。有機肥料の中では窒素の即効性が高いため、元肥のほか追肥にも使われます。
魚粉肥料は、イノシン酸を含みます。イノシン酸は魚の旨味成分であり、魚が死後にアデノシン三リン酸(ATP)が変化することで生成されます。魚粉は魚を原料としているため、その旨味成分であるイノシン酸が肥料の成分としても含まれています。
- イノシン酸とは: 魚介類や肉類などに含まれる代表的な旨味成分の一つです。
- イノシン酸の生成: 魚の死後、アデノシン三リン酸(ATP)がイノシン酸へと変化します。
- 魚粉肥料に含まれる理由: 魚粉は魚を原料としており、魚の持つ旨味成分がそのまま肥料の成分として含まれています。
- 効果: 魚粉肥料は、植物のうま味を向上させる効果も期待できます
骨粉(こっぷん)
骨粉は、豚や鶏などの骨を乾燥させた後、細かく砕いた物です。多少の窒素と多くのリン酸を含んでいます。少しずつ分解されて吸収されるため、効果は非常にゆっくりと現れ、長続きするのが特徴です。
米ぬか
米ぬかは、玄米を精米する際に出る粉です。窒素・リン酸・カリウムのほか、ビタミンやミネラル、糖分も多く含んでいます。脂質が多いため、油粕よりも分解はゆっくり進みます。水田では、除草の目的で表面施用されることがあります。
米ぬかはあらゆる微生物の増殖素材として使われ、それを堆肥に混入すると発酵が進みます。またそのまま土壌に散布することで土中の微生物量を増加させ、肥料分としてもゆっくりと肥効が長続きします。
草木灰(そうもくばい)
落ち葉や枯れ草などの草木を燃やしてできるのが草木灰です。カリウムを多く含むほか、石灰とリン酸も含んでおり、酸性の土壌を中和するためにも使われます。即効性が高いため、元肥のほか、追肥にも使われます。
草木灰には抗菌作用があり、江戸時代から「アク巻き」を作る際の浸漬に使われています。その抗菌性から連作による土壌病害を防ぐために使用されます。
有機肥料に変化する?化学肥料
特殊な微生物で発酵させた過リン酸石灰・塩化カリ・硫酸マグネシウム
化学肥料ボカシ
単肥あるいは化成肥料に米ヌカなどを混ぜて発酵させてつくる肥料。代表的なものにMリンPKがある。過リン酸石灰、塩化カリに硫化マグネシウム、米ヌカ、微生物資材のMリンカリンをまぜて発酵させる。微生物にとり込まれたり、有機酸と結びつくためか、リン酸が土に固定しにくくなり、カリや過石に含まれるカルシウムもよく効くようになる。
有機質のボカシ肥に化成肥料を混ぜてつくる化成ボカシもある。薄上秀男氏は、ボカシ肥の菌、特に酵母菌は化学肥料(無機栄養分)を消化吸収利用できる能力を持っており、化成ボカシをつくるためにはこの酵母菌にしっかり働いてもらうことが大事だという。化学肥料で酵母菌が増殖し、酵母に含まれる各種のビタミン、ミネラル、アミノ酸、その他ホルモンが菌の死滅分解によって作物に利用される。つまり、化成肥料をエサにして増殖した菌が、化成肥料を高級有機発酵肥料に変えてくれる。